両耳に補聴器を装用するのは当たり前のことなのです【耳は2つで1人前】

当たり前

当たり前

補聴器を購入しようと思ったとき、片耳だけにするか両耳にするか迷われている方もいらっしゃると思います。しかし本来人の耳は両耳が聞こえている状態が健常ですので、特別な理由がない限り両耳に補聴器を装用して左右とも聞こえるようにするのは当たり前のことなのです。今回は補聴器の両耳装用についてお話しますね。

片耳だけに補聴器を装用したい理由

補聴器を装用している方の中には片耳のみで使用している方も多くいらっしゃいますよね。そのような方の中には聴力など耳の状態により片耳のみにしか補聴器の効果がでないこともあり、両耳に装用したいけどできないという場合もあります。しかし左右の聴力に大きな差がなく、補聴器をすれば効果が見込める場合であるにもかかわらず、片耳だけで使用したいという方もいらっしゃいます。なぜでしょうか?
なぜ片耳か

JapanTrak2015調査報告より

こちらは片耳装用の方に行ったアンケート結果ですが、多くの方が片耳だけでも両耳装用時と効果は同じとお考えのようです。そのほか両耳につけると耳が詰まったような閉塞感があるという方や、補聴器を日々管理していく上で2つは難しいなど理由は様々のようです。

補聴器専門店が両耳に装用をすすめる理由

 音の方向感や立体感を捉えやすいため

片耳しか補聴器をしていないと単純に聞こえ方は半分になります。これは視力の悪い方が片眼にだけメガネのレンズをいれているのと同じようなことです。片眼しか見えていないのと両眼が見えているのとでは見え方も大きく違いますよね。補聴器も同様で片耳しか装用していないと、どこから音がしてきたのかや、どのくらい離れた場所でしている音なのか距離感もわかりにくい状態となってしまいます。

 

 右脳と左脳の働きにより言葉を理解しやすいため脳バランス

補聴器で大きくした音を言葉として聞き分けるのは脳で行っています。右耳で聞こえた音声は左脳で処理され、左耳で聞こえた音声は右脳で処理されます。両耳装用することにより、左右の脳がバランスよく働き、言葉の理解力もあがる可能性が高いのです。

 

 周囲が騒がしい場所でも聞き取りやすいため

満足度

補聴器をつけたとしても健聴者と同じように聞こえるようになるわけではありません。それが騒がしい場所では尚更ですし、片耳装用の場合には、1対1の会話でさえも著しく聞こえが低下してしまうのがわかりますね。

 

 片耳だけに負担がかからないため

例えば右耳だけに補聴器をつけていると、音声は右耳に集中します。そして右耳だけでがんばって聞き取ろうとしますので、補聴器の音量も大きくなりがちです。それにより補聴器をつけている耳へかなりの負担がかかってしまいます。両耳装用でしたら左右に分散されますから、聞こえ方もバランスよく、音量も適切な状態でお使いいただけると思います。

 

 言葉の聞き取り能力低下の予防のため

能力

上のグラフは片耳装用を続けた方の、言葉を聞き取る能力の変化を調査したものです。補聴器をつけていなかった耳では5年を過ぎたあたりから急激に低下していくのがお分かりになると思います。これは補聴器をつけていない耳では音の刺激がなくなりますので、耳の神経がお休み状態になってしまうためです。そして神経は脳につながっていますから、音声がうまく脳に伝達されなくなります。そうすると大きな音声そのものは聞こえても、それがなんと言っているのか言葉として聞き分けるのが難しい状態になってしまうのです。この状態になってからあわてて両耳装用にしてみても残念ながら思うような効果が見込めないことも多いのです。

両耳装用率

両耳装用率

  • アメリカ  72%(2015)    
  • 日本    46%(2015)

JapanTrack2015調査報告より

上記の統計からも分かるように日本での両耳装用率は低いですね。補聴器先進国では年をとったら老眼鏡をかけるのと同様に補聴器も装用するという考え方が一般的になっています。そして補聴器の基本は両耳装用というのが当たり前となっています。その背景には文化の違いや、補聴器購入の際に健康保険が使えるなど社会制度の違いも大きな一因となっているようです。ちなみに日本では今のところ補聴器購入に保険制度を使うことはできません。

両耳装用できない場合

両耳装用が良いということはお分かりいただけたと思います。しかしお客様のお耳の状態などによっては両耳装用をおすすめしないケースもございます。

 左右の聴力に大きな差があるとき
例えば片耳は軽度難聴で、もう片耳は重度難聴の場合のように、左右の聴力に大きな差がある場合です。こちらは残念ながら重度難聴耳での補聴器の効果は思うようにでないことがほとんどです。音を聞き取ることは難しく、聞こえてもそこから言葉を聞き分けることはさらに困難となることが多いためです。軽度難聴耳の聞こえをジャマしてしまうことも少なくありません。このような場合は残念ながら軽度難聴耳のみに装用をおすすめするケースもございます。

目安

 

 言葉の聞き取り能力に大きな差がある場合

こちらは聴力にはそれほど大きな差はないが、聞こえてきた音声をきちんと言葉として聞き分けることができるかがポイントとなります。なんらかの原因により片耳の聞き取り能力が著しく低下していて、補聴器をすることでもう片耳の聞こえをジャマしてしまう場合は片耳のみに装用をおすすめすることもございます。

 耳の形状の問題
事故やスポーツなどでの耳の変形や奇形、病気により耳道内に腫瘍のようなものがあるなど、補聴器をすることそのものが難しい場合は片耳のみでの装用となることもございます。

 補聴器の管理が難しい場合
お客様の中には過去に脳梗塞などを患い手先が思うように動かせず、ご自分では補聴器を耳に入れられない、電池交換等がやりづらいということもあるかと思います。また、ご本人が認知症等を患い補聴器の管理が難しいこともあるかもしれません。このような場合はご本人やご家族の希望により片耳のみの装用となることもございます。

 

左右で聴力差があり両耳装用できない場合の解決法

耳の状態により片耳にしか補聴器の効果が見込めない場合の解決策のひとつにバイクロス補聴器というものがございます。これは通常の補聴器とは少し仕組みが異なりますのでご紹介します。まず聞こえが良いほうの耳へは通常の補聴器をつけ聞こえを補います。そして聞こえが悪いほうの耳には送信機をつけます。この送信機で周囲の音を集めることができます。そして集めた音を一瞬にして補聴器へ送信し、良い耳で聞こえない耳側の音声も聞いてしまおうという仕組みなのです。特殊な補聴器ですので購入をお考えの場合は補聴器専門店に相談しよく試聴させてもらうとよいかと思います。

クロスしくみ

<バイクロス補聴器について詳しくはこちらへ>

まとめ

片耳だけ難聴なんですとおっしゃる方でも実際に聴力測定をすると両耳共に難聴になっているケースは多くございます。補聴器で補うことが可能な状態でしたら、両耳に補聴器をつけて音声をバランスよく補いましょう。若い頃と同じように聞こえるようになるわけではありませんが片耳装用よりも聞こえ方は改善する可能性がございます。そしてなにより左右の耳で音を感じることがごく自然な状態です。初めは片耳だけつけて、それでも聞こえなくなってきたらもう片耳もつければいいやとお考えの方もいらっしゃると思います。もちろん無理強いをするつもりはございません。しかし補聴器をつけていない耳は言葉の聞き取り能力が低下してしまうこともあり、そうなってから両耳装用にしても思うように効果がでないことも多いのです。耳や脳のためにできるだけ補聴器の両耳装用をおすすめいたします。

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