
感音難聴の方は補聴器をしていても「騒がしい場所だと会話ができない」「話している人との距離が離れていると聞き取れない」「複数人での会話についていけない」「妻(夫)の話しが全部聞き取れない」という事もあるのではないでしょうか。補聴器は聞こえ方を改善することができますが、お使いになる環境や話し相手によっては全てを聞き取る事が難しい場面もあります。そこでさらに聞こえを補う方法として補聴援助システムというものがあります。例えば会議や授業などの聞き逃せない大事な話や、騒音の多い場所で会話をするときなどに効果を発揮します。今回はフォナック社の補聴援助システムのひとつである【ロジャー】についてご紹介したいと思います。
補聴器をしているのに聞き取れないよくある場面
①距離が離れることによる音の減衰によるもの
補聴器をしていても話し相手との距離が離れるほど声は聞きづらくなります。近くで向かい合って話すときには問題ありませんが、一般的には1.5メートル以上離れると言葉の聞き取りは難しくなります。
②騒音や反響音の多い環境での会話
周囲が騒がしかったり、お部屋の構造などによって音声が反響してしまうような環境では言葉を聞き取ることに苦労します。
③複数人での会話で話しをする人が次々にかわるとき
あらゆる方向から声が飛び交うグループでの会話は話している人の表情や口元が見れないこともあり最も聞き取りに苦労する場面です。
補聴援助システム【ロジャー】を活用しましょう
補聴器は話し相手との距離が近く、且つ比較的静かな場所での会話に効力を発揮します。距離が離れたり騒がしい場所での会話やグループでの会話の理解には限界がありますので、そんなときは補聴援助システム【ロジャー】をプラスして使用するとさらに聞き取りが改善します。
補聴援助システム【ロジャー】とは
送信機と受信機を用いて、ワイヤレスで補聴器へ直接音声を届ける技術。聾学校や大学、企業などでも利用されています。相手の音声が補聴器にダイレクトに届くので距離が離れることによる音の減衰や、周囲の騒音に悩まされることが少なくなります。
使用方法が簡単なロジャーセレクトiNがおすすめです
以前から多くの場所で使用されているロジャーですが、送信機の最新機種『ロジャーセレクトiN』は使用方法が分かりやすくなり、従来は補聴器に接続するために必要だった受信機も補聴器に内蔵されていますのでより便利になりました。
補聴援助システムに必要なものはこの2つだけ
ロジャーセレクトiN(送信機)
ロジャーセレクトiN対応の補聴器(受信機)
ロジャーセレクトiNで集音した音声をワイヤレスで補聴器へ送信しますが、その送信距離は最大で50m。広い会議室や教室でも対応できます。ロジャーセレクトiN対応の補聴器は、もちろん普段は通常の補聴器として使用可能ですので、必要な場面に応じてロジャーセレクトiNをプラスして使用してください。
話しをする人の首にかけて使用する首かけモードの場合では、周囲の騒音が入らないように常に口元の方向だけを集音することができます。例えば講演会で講演する人や、パートナーにロジャーセレクトiNを首にかけてお話をしてもらうことで補聴器からダイレクトに相手の音声が聞こえるようになります。
テーブルの上に置いて使用する卓上モードでは内蔵マイクが6方向360度音を捉えることができ、一番大きな声がしている方向を自動的に集音します。また自分で集音する方向を選びたい場合はロジャーをタッチすることで簡単に選択することも可能です。会議や数人での会話をするときに効果的です。
連続使用時間はフル充電で最大8時間。
ロジャーセレクトiNはオープン価格。ロジャーセレクトiN対応の補聴器は片耳¥180,000~となっています。詳しくはお問合せください。
まとめ
補聴器は残念ながら聞こえを元通りに治すことはできません。生活を送る上で思い通りに聞こえず不便な思いをされていることもあるかもしれません。そんな時は今回ご紹介しましたロジャーをおすすめいたします。
・職場での朝のミーティング時にはロジャーと補聴器を併用し、それ以外では補聴器のみで使用している
・車でお出掛けするときは隣にいるパートナーの声が聞き取りにくいので車内ではロジャーを併用している
このようにお使いになる方の生活スタイルに合わせてご使用いただくことができます。当社で試聴ができますので最寄りの関東補聴器までご連絡ください。予約制となりますがロジャーと補聴器セットで貸出しを行っていますので、お家や職場などで是非お試しください。